新井浩文さん逮捕、各社の呼称

 各社の報道によると、俳優の新井浩文さんが1日、強制性交容疑で警視庁に逮捕されました。日中の一報段階では概ね「任意で事情聴取」「自宅を家宅捜索」「書類送検へ」という3点で各社一致していましたが、その後夕方に入って「逮捕状請求」(=「逮捕へ」)に進展し、その後逮捕状が執行されたという経緯です。

 著名人の刑事報道の呼称については以前にも本サイトで記事にしてきましたが、今回は半日にわたり事態が進展したため各社の微妙な違いが現れています。

逮捕状請求段階で呼称分かれる

 警察が逮捕状を請求し、近く逮捕する方針が固まった時点での各社の呼称は以下の通りでした。なおテレビ東京は不明、日経新聞は逮捕後の記事しか確認できませんでしたので比較対象から外しています。

  • 「さん」 共同、毎日(共同電)、日テレ、テレ朝
  • 「氏」 時事、TBS、フジ
  • 「容疑者」 NHK、朝日、読売
  • 産経は見出しで「さん」、本文初出で「氏」、本文2度目以降で「容疑者」

 逮捕状を請求した段階で「容疑者」を使ったのが4社。このうち、日中の「家宅捜索・任意聴取、書類送検へ」の段階では、NHKと朝日が「さん」、読売と産経が「氏」でした。

 産経の「さん」と「氏」の表記が揺れているのは解せないのですが(単純ミス?)、本文で初出と2度目以降で書き分ける例はカルロス・ゴーン日産前会長逮捕時にも見られましたので、著名人の逮捕報道における社としての方針の可能性があります。

俳優の新井浩文(40)が自宅で女性に乱暴した疑いが強まったとして、警視庁捜査1課は1日、強制性交容疑で、新井容疑者の逮捕状を請求した。
──俳優の新井浩文さんを逮捕へ 自宅で女性に乱暴疑い - 産経ニュース

日産自動車カルロス・ゴーン代表取締役会長(64)が自身の役員報酬を計約50億円過少に記載した有価証券報告書を提出したとして、東京地検特捜部は19日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、ゴーン容疑者と、同社代表取締役のグレゴリー・ケリー容疑者(62)を逮捕した。
──日産カルロス・ゴーン会長逮捕 報酬50億円過少申告の疑い(1/2ページ) - 産経ニュース

 全社とも逮捕後は「容疑者」呼称にしています。

本名併記の有無

 新井さんは韓国籍で、芸名とは別に本名があります。この点、ネット上でヘイトスピーチ的な言説が出ているのは残念ですが、刑事手続を伝える以上、報道において本名や国籍を伝えること自体は通常の判断といえます。その上で、逮捕を受けて本名や国籍の伝え方についても各社に違いがみられました。

 おおむね新聞・通信各社は本名併記が多く、朝日と産経は本名の掲載なし。放送ではテレ朝だけが本名も伝えました。国籍に関してはまちまちで、上記で国籍を書いていない社は記事全体の中でも国籍には触れていません。多くが「青森県生まれ」としています。

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 著名人の刑事報道における呼称については過去記事でも触れています。ご参考にどうぞ。
charlieinthefog.hatenadiary.com
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