【防災の日2018】TBSラジオの地震報道訓練まとめ(1)

 9月1日の防災の日を前にTBSラジオ番組「ジェーン・スー生活は踊る」では8月31日、大規模地震の際にTBSラジオがどのような報道をするかをシミュレーションする特集を放送しました。

 首都直下型の大地震が発生したという想定の下、緊急地震速報のチャイム音放送やニュースデスクの対応、報道セクション外の社員による電話リポート訓練など、メディア観察趣味の方にはもちろん一般のリスナーにとっても興味深い内容でした。

 本記事では関係する部分を数回に分けて文字に起こし、記録したいと思います。なおこの放送の音声は、TBSラジオクラウドで聴くことができます。
radiocloud.jp

 他の記事へのリンクは以下のとおりです。
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趣旨説明

 〈午前11時2分ごろ〉
 ジェーン・スー
 きょうのTBSラジオなんでございますけれども、特別企画「地震情報シミュレーション ワンデースペシャル」をお送りしています。いつもと番組の内容が異なりますので、先にメニュー紹介をしてみましょう。

 堀井美香アナウンサー このあと11時台の前半では首都直下型の大地震が発生したことを想定しまして、TBSラジオではどのように情報を集約し、皆さんに発信していくのか、シミュレーションに解説を加えながらお伝えしていきます。

 スー はい。こちら、いざという時に焦らないため、正しい行動が取れるために、「え、これは何? いま何をやっているの?」とならないようにですね、ラジオ版の防災訓練です。

 堀井 はい、はい。

 スー なのでいつもとは異なる放送になりますが、防災訓練ということで皆様お付き合いください。

 〈中略〉

 〈午前11時4分ごろ〉
 スー
 さあこのあと、いよいよ地震情報シミュレーションを始めますが、きょうは解説役としてTBSラジオニュースデスクの中村尚登(ひさと)さんに入ってもらいます。尚登さんよろしくお願いいたします。

 中村尚登ニュースデスク こんにちは、よろしくお願いします。

 スー 尚登さんには、東京で震度5強以上の大きな地震が起こった時にTBSラジオがどんな放送をするのか、聴いているとどんな情報を得られるのかを、シミュレーションの進行に合わせて解説していただきます。

 中村 はい分かりました。

緊急地震速報とスタジオ対応

 堀井 それではですね、早速なんですけれども、間もなく地震の揺れを直前に知らせる緊急地震速報のチャイムが鳴ります。あの音ですね。これは実際に起こっているものではありませんので、どうぞ皆様ご安心ください。それではお聴きください、どうぞ。

 緊急地震速報のチャイム音=

 スー あ、これね。

 中村 なんかね、この音聞くとやっぱりちょっと身構えちゃいますよね。

 スー 不安になりますよね。

 堀井 この警報でね、命が救われたりもしますからね。

 中村 そうなんですよね。まあこれ心地よい音じゃ駄目だし、かといって不安にしても駄目なんですけど、注意してくださいよという意味の音ですね。

 スー これはあくまでシミュレーションなのでご心配なく。さあ、これはどういうことなんでしょう、この警報は。

 中村 緊急地震速報というのは、実際に地震が起きたことを知らせるものなんですね。地震っていうのは、起きた時に先に伝わるP波っていうのと、ゆっくり伝わってくるS波っていうのがあって、で、S波の方が力が強くて揺れが大きいんですね。ですから先にP波が伝わった段階で、分かった段階で、すぐ注意をしておけばもうすぐ大きい地震が来るよということが分かるわけですね。

 スー なるほど。

 中村 そういうのを地震計の所で先にP波を感知した段階で、これは気象庁では震度5弱以上の時に緊急地震速報を出します。で、ラジオのオンエアーでは震度5強以上の時に、この緊急地震速報が鳴るということになってるんですけどもね。東京周辺の民放ラジオでは、そういう仕組みになってるんですね。

 スー この差は何なんですか。

 中村 あの、これはですね、本当は震度5弱でも出そうかって最初は話があったんですね。ところがラジオってやはり車に乗って聴いてらっしゃる方が多いわけですね。実際地震が起きた時に5弱の場合って、結構被害がそれほどでもないっていうケースが多い。ま、気を付けなきゃいけないことには変わりはないんですけれども、それほど大した被害が出ないというケースが多いと。それよりもむしろ車を運転している時にこういう音を聞いて、あわてて急ブレーキを踏んだりとか、そういうほうが危険があるんじゃないかと、危険性があるんじゃないということになって、こういうこともあっていろいろと、在京ラジオ局を中心に話し合った結果、民放は震度5強にしましょうと。少し1ランク強い地震の時に緊急地震速報を出すようにしましょうということになったんですね。だからまあ、テレビとかNHKなんかは震度5弱で流れるんですけどもね。

 スー なるほど、覚えておきます。

 堀井 radikoの対応はどうですか。

 中村 radikoはね、これが実際には流れないんですね。どうしてかというと実際にradikoって何秒か遅れて聞こえるわけじゃないですか。だから今すぐ避難とか準備をしてくださいという風に知らせるには、あまりこうふさわしくないわけですね。ですからその緊急地震速報が流れてる時にはradikoには流れてない。で、緊急地震速報はさっきのチャイムの後に引き続いてこういうコメントも出るんですね。ちょっと聴いてみましょうか。

 緊急地震速報時に流れる自動音声 自宅や職場といった屋内にいる人は、机の下に入るなど身の安全を確保してください。頭を保護してください。落ちてくるものに注意してください。……

 スー あー。

 中村 こういう注意情報ですね。だからこれは実際に緊急地震速報がオンエアーされた時にはこれが続いて鳴るんですね。実際その、地震が起きた時に、この地震は震度いくつぐらいだろうという最初の情報が来るまでにやっぱり3分くらいかかるんですね。

 スー おー、なるほどね。

 中村 その3分間というのは、まず情報をまとめる間にですね、スタジオでつないでいかなきゃいけないわけですね。で、緊急地震速報はオンエアーには出ているけれども、そのさっきのコメントも引き続き出ていますけれども、radikoで聴いている方々はその音が出ていないので、このスタジオの中の音声が生きているわけですね。

 堀井 スタジオにもパネルが用意されていまして。

 中村 そうそうそう。

 スー では読ませていただきます。緊急地震速報が出たらこういった文言が読まれます。「緊急地震速報が出されました。強い揺れに警戒してください。頭を守って身の安全を確保してください。足元に注意してテーブルの下など、身を守れる場所へ移ってください。震源地や地震の規模、津波に関する情報は分かり次第お伝えします」

 中村 で、そういう最初の情報がまとまるまでの間、スタジオでつないでいただくと。当然このスタジオにもありますけれども、赤坂でいま震度いくつだったっていうことを示す震度計がスタジオにあるので「いま赤坂の震度はいくつです」と、「詳しい情報が入り次第……」みたいな形で、そのニュースデスクのところに情報が集まるまではそのパーソナリティーの人たちにつないでいただくということになるわけですね。

 堀井 ではその緊急地震速報が出てから、スタジオの外ではどこにどうやって情報が集約されるのか、このあと私がですね、ニュースフロアまで行って様子を実況いたします。

 〈CM〉

 【(2)へ続く】