また夢ンなるといけねえ

成績不振の大学生が書く、日記とかメディアの話とか。幾度となく開設しては閉鎖してを続けてきた我がブログ遍歴。今度は末永く続くように。

ひとまず脇役を全うする先輩

 先輩手製の号外が配られた途端に宴会場のあちこちから歓声が上がり、拍手が沸く。スポーツ紙風にデザインされた「交際」の大見出しの横には別の2人の先輩のツーショット写真。中には今さっき、先輩の薬指に見えたものと同じペアリングが輝いている。

 先月引退した報道サークルの追いコン(追い出しコンパ=今春卒業の4年生を送り出す飲み会)で、同サークルとしては久しぶりにビッグカップル誕生の報が轟いた。すぐさま「記者会見」が始まり、恥じらいを隠せないカップルの一方を気遣いながら、もう一方の男性の先輩が交際の経緯などを報告した。

 彼氏側の親友であり号外の記事を書いた先輩が、誕生日プレゼントとして自撮り棒を贈呈。早速パシャパシャやっていた。

 確かにとても喜ばしく、微笑ましいニュースだった。(部内としては)文句なしのビッグニュース。それか追いコンのハイライトになってしまった。

 と、同時に、号外を書いた先輩は少し淋しそうだった。そりゃそうだ、親友に彼女ができたんだから。

 2次会以降、僕はその先輩の淋しさの吐露を受けた。いつもより酔いが回るのが早く見えた。

 主人公はどこまでも主人公然とした態度をためらいなくとれる。トートロジーだが、それこそが主人公たるゆえんだ。いつもより淋しそうな先輩は、最近自らが主人公の舞台を一つ失ったばかりで、あまりにも脇役然とし過ぎているように僕には思えた。

 先輩は先日、やや高めの服を幾着か買い揃えたらしかった。ブランド名を挙げていくが、ファッション音痴の僕には全く分からない。僕は褒められた観客ではなかった。ああ、服の趣味を持っていればなあ、とちょっと自分を恨んだりもした。

 先輩は編集室で酔いに酔い、缶を倒して中味をこぼすことが2、3度にわたった。脇役としては名演である。呆れながら僕ら後輩で後始末を引き受けた。

 今は主演復帰を諦める素振りも見せた先輩だが、僕は先輩の主演舞台が見たい。まあ親友とのW主演はちょっと胃もたれするので、あくまで別個シリーズとしてお願いしたいけど。