また夢ンなるといけねえ

しがない男子大学生。新聞サークルの記者をしている。堺、六甲、西中島南方が生活の拠点。

淋しさは珍味

 夜型の人間だから無駄に徹夜して家を出ることがよくある。きょうもそう。日の出まで1時間半もあるのに家を出た。自転車を出先に置きっぱなしにしてしまったので、歩いて駅まで行く。微妙に徹夜疲れを感じながら、冷え込みが厳しい夜明け前に30分弱歩くのはなかなかオツだ。

 独りで暗い外を歩くのは夜明け前に限る。まだ多くの家庭が眠りについている頃、こっそりと穴を這い出る卑しさと淋しさが何とも言えない。童貞だから「この寒い夜を同じ布団で温め合う人達もいるんだろうなあ」とか想像して、さらに淋しくなる。

 内向的で人付き合いが苦手で、なのに自意識過剰で淋しがるハリネズミのような僕は、淋しささえも一種の珍味のように感じる。足の指がかじかむのを感じながら、黒い空にほの白い雲がゆっくりと動いているのを見るだけで、あたりめをしがんだときの味わいが思い浮かぶ。

 こういう独りの時間には山下達郎の「MELODIES」が似合う。名盤とは分かっているけどこんなに良かったっけ、と思うくらい響いてくる。「黙想」から「クリスマス・イブ」の流れは、胸に淋しさがじわりと広がる感覚がして本当に良い。

 TBSラジオ「東京ポッド許可局」で、感動をうたったり泣けると評判になったりする映画を「排泄映画」と呼んでいるが、僕にとっては淋しさを感じるこの時間はまさに排泄タイムなのかもしれない。孤独を噛み締めつつ、今の生き方しかないよな、と自分を慰める一連のルーティーン。非生産的だが自己肯定には(多少ひねくれていたとしても)大いに役立っている。

 これだから夜型の生活は辞められない。