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また夢ンなるといけねえ

しがない男子大学生。新聞サークルの記者をしている。堺、六甲、西中島南方が生活の拠点。

街角はいつでも人いきれ

26日のTOKYO FM山下達郎 JXグループ サンデーソングブック」は「SONGS」特集だった。「ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY」を発端にSugar Babe前史から「SONGS」のA面を網羅する濃い内容だ。

この特集のなかで山下達郎は『DOWN TOWN』が元々、ザ・キングトーンズに提供されるはずの曲だったと話していた。企画自体はボツになったが、ならば自分達で出そうということになったのだという。本人も言っていたが、そんな経緯の曲が、Sugar Babe山下達郎を代表する曲になるのだから世の中不思議なものである。

当時の彼らにとってのダウンタウンは池袋や新宿だったのだろうし、その都市の姿も40年を経て様変わりしたのだろうと思う。だから、『DOWN TOWN』にはやはりどこか時代的なものを感じる。おそらくこの時代的な雰囲気は大瀧詠一のレコーディングアレンジメントと、決して上手いとは言えない粗削りな演奏が生み出しているのだろうなあ。

とはいえ、時代的なものを感じさせるわりには、古くないのだ。現代のダウンタウンにこの曲を引っ提げて繰り出そうとは思わないが、しかしこの曲自体は色褪せない。この摩訶不思議は驚くべきものだ。

当然、当時のダウンタウンにだって様々な矛盾は漂っていただろうし、懐古趣味で「あの時代は良かった」なんてとても僕らには言えない。けれど、このダウンタウンという曲を生み出したことだけでも、あの時代の存在意義はあった、と言いたい。

と同時に、彼らの東京の街への愛着も計り知れない。きょう、ワーナーミュージック山下達郎サイト( http://wmg.jp/tatsuro/sp/interview.html )に大貫妙子山下達郎両氏のスペシャル対談が掲載された。その中にこんな内容がある。

大貫)山下君とは音楽以外でも、いつもいろいろ話していたし、文章も上手い人だったから。歌詞が書けないわけないと思っていたし、実際、書いてくる歌詞は好きでしたから。たとえばありふれた言葉でも、東京という街で生まれた空気というのが伝わってくる。そういうアイデンティティが大事なんですよ。「夏の終わりに」の「つるべ落としの秋の始まり~」なんて、当時は、なかなか思いつかないですよ(笑)


そして彼らの歌が、東京のお洒落さと歪さを発信し、東京という街に輪郭を与えた文化装置になってきたのは間違いない。

ここまで書いてきたが、やっぱりSONGSにしろ、山下達郎にしろ、語り尽くすことなんてできないし、語っているうちにどっちらけになるのが関の山。黙って音楽そのものを楽しむのが一番か。