また夢ンなるといけねえ

しがない男子大学生。新聞サークルの記者をしている。堺、六甲、西中島南方が生活の拠点。

読書録 2015年4月

今月読んだ本の記録です。今月は6冊です。


言わずと知れた名著。早熟な少女の視線から見る,大人たちの醜さと,性への憧れが,早熟だからこその露骨な描写で記されている。アンネは将来ジャーナリストになりたかったようだが,もし戦争を潜り抜けることができていれば,その後の人生の中で醜い社会を受容し,また女性性との葛藤なども起こってきたであろう。そのとき,アンネの文章はさらに味わい深くなっていたはずで,それだけに惜しい。
(2015/4/3読了,★★★☆☆)


単なるニュース解説では終わらず,大学におけるリベラル・アーツの基礎である批判精神をしっかり説いている。
(2015/4/9読了,★★★☆☆)


「8・15終戦」というのはよくよく考えればおかしい。ポツダム宣言受諾の通知は8月14日,ミズーリ号での調印は9月2日,受諾聖断の御前会議は8月10日。単に国民に知らされたに過ぎない8月15日を終戦記念日としてとりわけ特別視するに至った理由は何か。連合国軍に敗北したという事実がプライドを傷つけるのを防ぎたい右派と,8月15日を革命と定義することで戦後日本を神話化したい左派の利害が一致する形で,だれも疑義を呈しないまま8月15日だけが特別視されている。その結果生じた様々な齟齬は置いてけぼりにされたままだ。筆者は慰霊の日を8月15日に,反省の日を9月2日に分けるべきだと主張しているが僕も賛成。それにしても,8月15日の神話を作り上げる動きが8月14日からすでに行われていたというのがなかなか興味深い。
(2015/4/11読了,★★★★★)


あまり頭に入らず。
(2015/4/15読了,★★★☆☆)


1次政権と同じ轍は踏むまいと安倍首相はかなり考えて動いている。正副官房長官会議をはじめとして,スタッフと緊密に連絡を図りながら組織として動いている。あと,政策判断や人事の手腕が格段に増している。それは官邸経験の長さ,本人の絶妙な政治力の賜物だろう。「政局より政策」という言葉が空虚に感じるほど,権力がどのように動いているかを追う仕事の大切さを感じる。
(2015/4/23読了,★★★☆☆)


性の商品化は誉められたことじゃない一方で,そこにキラキラしたものを感じる都会の女性の価値観ってのは,実際にあるんだろうなあというのは薄々解ってたし,それを「可哀想」みたいなパターナリズムで断じるのは違うと思ってた。本書では,そうした微妙で危うい憧れを現実化するためのプログラムがAV業界に巧妙に出来上がってることがわかる。そこで注意しないといけないのは,それが自由意志であろうがなかろうが,道徳的に許されようが許されまいが,現実として存在しているということ。とはいえ,やはり自由意志で褒められることのない世界に身を置く以上,彼女たちにはその世界に入る動機自体はありふれた曖昧なものであっても,その世界に身を置き続ける動機はないと「なんでこんなことしちゃったんだろう」という不安に応えられない。その不安に応えるシステムが,単体AVから企画AVに転身するにあたって醸成されるプロ意識にある。「女の身体」の価値が「下がった」としても多様な価値観のなかで「頑張れば頑張っただけ成果が上がる」「エンターテインメント」としての業界システムが,プロ意識を醸成する。女の身体を持って生まれてきた以上,どんな職に就いたところで自らの身体や性を商品化することを意識せざるを得ないと筆者は語る。そのうえで,性の商品化の黒い部分だけを見たところで,都会の「わたしたち女の世界」からはずれていくと筆者は思っていた。日常と同じ地平で,しかし違う意味合いをもった世界として存在するAV業界のマインドを解体していてかなり面白い。「キラキラした」の意味についてもっと言語化してほしかったきらいはある。
(2015/4/28読了,★★★★☆)