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また夢ンなるといけねえ

しがない男子大学生。新聞サークルの記者をしている。堺、六甲、西中島南方が生活の拠点。

玉子と独身

所用で関西空港へ行くことになり,運動不足の解消のために堺から自転車で行くことにした。といっても,空港連絡橋は自転車通行禁止なので,りんくうタウンまでだった。

関西空港についてから所用がドタキャンになったので,空港内のTSUTAYAで買った本を一冊読んでから,帰路についた。

往路は自転車を漕ぐ足がやけに重たかったが,復路は軽やかで,気がつけば泉大津市に入っていた。そこで,まだ昼飯を食べてなかったことに気付く。僕は泉州方面サイクリングの帰り道で浜寺公園に寄って海を見ながら佇むというのをよくやるのだが,きょうは近くのスーパーで昼飯を買って,公園で海を見ながら食べることにした。

丁度お小遣いが入ったところだったし,贅沢に500円弱のお寿司の盛り合わせを買った。

浜寺公園の海沿いに自転車を停めて腰を下ろすと,すでに西陽が眩しい時間だった。ポッドキャストを聴きながら独りもくもくとお寿司を口に入れる。

最後に玉子が残った。僕は卵アレルギーだから食べられない。いつもなら家族が食べてくれるのだが,きょうは食べてくれる人はいない。ぐぬぬ

僕ははっとした。そうか。独り身とはこういうことか。お寿司の盛り合わせを買ったら玉子がいつも余ってしまうのが,僕の独身人生なのか。それは確かに空しいな。

とはいったって「余った玉子のお寿司を食べてくれませんか」なんて文言はとてもプロポーズに使えなさそうだし,飽食の国・日本では「その程度」の話にすぎない。

けれど,独身の人生を行き続ければ,こういう細かなところで独身であることを実感するんだろうなあ,という想像力が19歳にもなるとついてしまう。成長の残酷さかな。

風が肌をうちつける海辺の孤独である。